庇護欲を煽られた社長は、ウブな幼馴染を甘く攻め堕とす


「うち来る?」
「えっ?」
「なに。嫌なの?」
「そうじゃなくて! そんな一人暮らしの男の人の家に泊まるなんて……その」
 
 いくら幼馴染だからってさすがにそういうわけにはいかないような。いや、お互いにそういう目で見てないからいいのか? よくわからなくなってきた……。

「へぇ、そういうこと気にするようになったんだ。少し前までは同じベッドで寝てたのにな」
「いつの話してるのよ!」 

 昔の話をされ、恥ずかしくなって思わず腰が浮く。そんな私を見てクスクス笑ってる。くそう、からかわれた。キュッ唇を食いしばり大人しく腰を下ろす。

 でも千晃くんの言う通り小学校の時までは一緒に眠ったり、かくれんぼで同じ布団に隠れたりしていたっけ。懐かしい。

「とりあえず今日は友達の家に泊めて……」
「俺は良いけど。このままお前と結婚しても」

 え? 今なんと? 空耳?

「なに驚いているだよ」
「お、驚くに決まってるでしょ!」
「お前の両親も喜んでたし、ちょうどいいじゃん」
「そういう問題じゃないから。それに千晃くんがそこまで責任感じなくても大丈夫。共犯になって罪悪感からそう言ってくれているんだろうけれど、後のことは自分でなんとかするから。別れたとか、適当に理由付けときます」

 必死にそう言うとなぜか千晃くんはぶすっとした顔で目を逸らした。あれ? なにか気に障るようなことしたかな。



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