庇護欲を煽られた社長は、ウブな幼馴染を甘く攻め堕とす
第一章 意地悪幼馴染と再会



 こんなことになったのは、遡ること数時間前。

 私、小原椎花(こはらしいか)は彼氏の遥斗を自分の両親に紹介する為、この日の為に新調した花柄のミモレ丈ワンピースを着て、いつもより少しヒールの高いパンプスを履き、待ち合わせ場所であるコーヒーショップの前で彼を待っていた。

 約束の時間は10半時。その時間より少し早めについた私は彼に「着いたよ」と、ラインを送った。

 デートの時もいつも私の方が先に着き、遥斗は時間より遅れることが多かった。きっと今日もそうだろうと思っていた。

 だが待てど暮らせど、遥斗は来なかった。ラインも既読にならないし、電話にも出ない。そうこうしているうちにうちの両親との約束の時間まであと30分を切っていた。

 もしこのまま来なかったらどうしよう。昨日の夜は顔合わせをするホテルの近くのコーヒーショップの前で待ち合わせしようと言っていたのに。

 もしかして来る途中に事故にでもあったのでは? それともいざとなって怖じ気づいたとか。嫌な予感が一気に溢れだす。
 
 その時、握りしめていたスマホが鳴った。遥斗だ。



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