庇護欲を煽られた社長は、ウブな幼馴染を甘く攻め堕とす



「それにお前、桜太の結婚式で言ったこと覚えてないのか?」
「え? 私何か言った?」

 ハッとして顔を上げると、目の前には眉根を寄せる千晃くんの顔があった。

「全然覚えてないんだな」
「ご、ごめんなさい。差支えなければ今教えていただけると……」
「自分で思い出せ」

 うっ……やっぱりこういうところが意地悪。覚えてないって言ってるのに。

「とりあえず、しばらくはうちにいたほうがいい」

 相変わらずの命令口調。だけどその中に彼の優しさが見えて、私は深く頷いた。

「はい。お言葉に甘えてお世話になります」

 そう言うと、千晃くんはやっと笑顔を見せた。



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