【完】昔の話

私は魔族







魔力を取り込み始め、数えで15年経った。


私は魔力を取り込むことは出来なくなった。

これが限界なのだろう。



私は大きく、強くなった。



私より大きい者も、

私を見るなり頭を下げていた。



私はこの頃にはもう自分の事を全て理解していた。



私は魔族。



魔族は魔力溜りに産まれることがあり、

その個の強さは産まれた時点で決まっている。



けれどどこまで強くなるのかは、

限界に達しないとわからない。



私は、魔族の中でも高位の魔族だ。


先日魔王を継承する事を勧められるくらいには。


だが、私は断り続けている。




魔王になれば、守るどころか傷つけてしまう。


私は継承を強いてくる魔王を鬱陶しく思い、

各地を転々と旅した。







< 4 / 5 >

この作品をシェア

pagetop