キミとの恋は永遠に輝く

新たな日々




「聖くんお土産買ってきたよー!」



「おー美央、気が利くな」



「それは元々」



聖くんは毎日リハビリを頑張って、少しずつ左手を動かせるようになった。



相変わらず私との記憶はないけれど、毎日来てたくさんおしゃべりをする。


聖くんの中の私は今、どんな存在なのかは気になる。




「おー!オレの好きなプリン!
よく分かったな?」




「そりゃあ私は聖くんのことなら何でも分かりますよ」




「へぇー、何かよくわかんないけどありがとな!」



「よくわかんないってどういうことよ?」



「だってオレ、前の記憶が全然ないんだもん。
気がついたら病院にいて、気がついたらお前がいて…
なぁ、美央とオレってどんな関係?」


突然の質問に戸惑った。


「幼なじみ……兼、彼カノ」



聖くんの顔が固まった。



「いやいや嘘つくなよー…ってマジ?」



笑い飛ばそうとしたけれど、私の顔を見て真面目な顔で問いてきた。



「うん、マジ」



あーマジかぁ……
と、プリンにかけていた手を下ろして、ベッドに横たわった。



「ごめん、オレ全然覚えてない」



心がちょっと痛かった。



「大丈夫、私が覚えてるから」



私が覚えていれば大丈夫。


それだけで、私たちの心は繋がってるから。



「ごめんなぁ美央」



何度も何度も聖くんの謝る声が聞こえる。



顔は腕で隠してるから見えないけど、聖くんの方が辛い顔をしてると思う。




「言ってくれてありがとな」



いつか、必ず思い出してくれると信じてる。



あの日に戻りたい……

そう思ってもできなくて



心の内で密かに願い続けるだけだ。


< 183 / 294 >

この作品をシェア

pagetop