明日は明日の恋をする
「そういえば明日香の会社、旅行先決まったの?」

「旅行?あっ慰安旅行(いあんりょこう)か。いつ?」

真彩さんが私に聞いてくると、その言葉に高瀬さんが食いついた。

「予定では11月なんですけど、場所選びに苦戦しているみたいです。旅行の幹事が貴島さんで何処かいいところないかなぁって相談されたけど、私もそういうの疎くて。」

「貴島君が幹事か。俺いくつかオススメの場所知ってるから、今度仕事で会った時に相談に乗ってあげようかな。」

何か企んでいるように見えるのは気のせいかな。高瀬さんは楽しそうな表情をしている。そして、明日も仕事だからと言って帰っていった。

会社にて ーー

「水沢さん、慰安旅行の日程決まったからこれコピーしてみんなに配ってくれる?」

歓迎会からしばらくして、無事に慰安旅行の日程が決まったみたい。私は何もしてないが行き先が決まりホッとした。

「良かったですね、行き先が決まって。」

「この前、仕事で高瀬さんと会った時に偶然慰安旅行の話になってさ、初めて幹事するって言ったら色々相談に乗ってくれたんだ。良い人だよなぁ、高瀬さんって。」

「偶然…ですか。」

高瀬さん、本当に相談に乗ってくれたんだ。

「じゃあコピーよろしくね。」

「はい。」

貴島さんから日程表を受け取り、全員分コピーする。

「行き先は…紅葉(こうよう)が見頃の温泉旅館かぁ。」

私は日程表を見ながら、初めての慰安旅行を楽しみにしていた。

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