明日は明日の恋をする
「し、進藤さん?」

「お風呂は大丈夫。シャワーを浴びるから。」

私を後ろから抱きしめたまま耳元で囁く。その囁く声が私の脳天を刺激する。

「そ、そうですか。」

私は顔を赤くしたまま振り返り、進藤さんの方を向く。

あっ…

振り返ると、進藤さんの顔が至近距離にある。バッチリと目が合い、しばらく見つめあった。凄く恥ずかしいけど何故だか目をそらす事が出来ない。

そして…

進藤さんの唇が私の唇に重なった。

優しいキス…

5秒くらい経つと、進藤さんの唇が私から離れた。

「おやすみなさい。」

そう言って進藤さんは仕事モードのまま私の頭をポンっとして、自分の部屋に入っていった。

何が起きたの…?

私は目を丸くしたまま腰が抜けたかのようにその場にぺたんと座り込んだ。そしてふと、高瀬さんが朝の電話で言っていた事が脳内でリピートされる。

『社長だって男ですからねぇ…いつ豹変するか。』

ねぇ進藤さん…

このキスはお酒のせい…ですか?

進藤さんの部屋を見ながら、心の中で呟いた。
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