寡黙なダーリンの秘めた愛情
神父の言葉、宣誓の言葉、指輪の交換。

順調に式は進んでいく。

「それでは誓いのキスを」

蓮の大きな手が美咲の頬に触れる。

「美咲、幸せにする」

そう呟いた蓮は、美咲の唇にキスを落とした。

「ありがとう。蓮くん」

式場から盛大な拍手が起こる。

一番前に陣取る車椅子の曾祖父・喜久蔵も満足そうだ。

今日から蓮との生活が始まる。

゛どうか、小春日和のように、何もない穏やかな日々が続きますように゛

美咲は叶いそうもない願いを神に祈った。

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