寡黙なダーリンの秘めた愛情
「結婚おめでとう。遂にやりとげたね。レン」

アメリカに着いた美咲と蓮の前には、美咲の大学時代の同級生であるホイットニーとその彼氏のジムがいる。

「やり遂げるって何のこと?」

「こっちの話さ。ミサキ、相変わらずキュートだね」

美咲の頬にキスをしようとするジムを、慌ててホイットニーと蓮が止める。

「レンに殺されたいの?ジム!」

「死にたいのか、ジム」

重なる英語に美咲とジムが苦笑する。

「大袈裟な」

「挨拶ぐらい許せよ」

ジムの手を払いのけた蓮が、美咲を抱き締めながら言った。

「やっと手に入ったんだ。誰にも触らせない」

「出たよ。蓮の束縛。4年間、お姫様を悪党から守ってきたのは誰だっけ?」

「お前たち」

「わかればよろしい」

笑い合うジムとホイットニーと蓮に、何もわからない美咲は首を傾げた。
< 14 / 129 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop