寡黙なダーリンの秘めた愛情
「あれ?でも、俺あのとき、美咲のこと堪らなく好きだって言ったよな?」

「...。ひどい女でも好きなの?って聞いた私に投げた言葉じゃない。...私、由利亜さんのことだと思ったんだからそんなの無効だよ」

不貞腐れて答える美咲が堪らなく可愛い。

「そうだな。本当にすれ違ってたんだな、俺たち」

ベッドで背中側から美咲を抱き締めている蓮。

時折、確かめるように美咲のお腹に手をやる様子はすっかり父親の顔だ。

「じゃあ、なんで二年後に結婚するって言った言葉に頷いた?同情か?その返事があったから、俺は会長に結婚を申し出たのに」

蓮の言葉に、驚きで思わず振り返る美咲。

「ごめん、眠くてその辺りは聞いてないかも...」

「フッ...そうか。お前らしいな。まあ、勘違いでも結婚して、こうしてべべを授かったんだからよしとしよう」

どうやら、連も秘技・受け流すを覚えたようだ。
< 45 / 129 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop