溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
「早めにな。母さんが最近も見合いの相手にいいお嬢さんがいるとか言ってたぞ。
お茶かお花の仲間だとか、なんとか。
それに、安西病院も縁談の話をなんとか持ち込もうと、親父に接触してるみたいだし。」

「分かってるよ。オレは誰とも見合いしないし、彼女とのことは将来をちゃんと考えてる。
付き合い始めたたばかりなんだ、外野は静かに見守って。」

「初めてだな、そんなこというの。ま、教授のお嬢さんなら反対相手にはならないだろう
けど、せいぜい振られないようにな! その時はお兄様が慰めてあげるわ」

そう言って、手を振って陽気に去っていった。

縁起でもないことを。
ま、あれでも心配してくれてるんだろうな。
四つ上の兄貴は医師としても、経営者としてもバランスの取れた人だ。
人当たりも良くて、恋愛結婚し、今は義姉は二人目を妊娠中。
仲も良くて、3歳の甥っ子はめちゃくちゃかわいい。理想の家族だ。



両親もオレを無理矢理結婚させようとは思っていないが、仕事ばかりで
出会いがなければ、キッカケをとばかりに最近は突っついてくる。
紹介しよう。気に入ってもらえるはずだ。


総合受付に用事があったので、一階の方へ。
先程の噂の安西病院の娘が前方からやってきた。
「こんにちは、亮さん!お会い出来てうれしい!
お仕事忙しくて、今日はお会い出来ないかと思っていたの。」
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