溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
キョウの登場にナースが騒ついている。

「彼女の兄で、オレの旧友。マックス、君の本名は?」

「響也だよ。皆さん、今後は妹もよろしくお願います。もちろん僕も。」

極上のスマイルを見せるのは彼の技。
これで、今までどれだけの女の子がいたか。
相変わらずの兄だ。

兄と私は基本、英語で会話する。
『レイ、オレはそろそろ帰るぞ。外資の弁護士やってるやつと、今から食事会だ。
お前も異業種交流に来るか。いい男が揃うぞ。』

『何言ってるの。行けるわけないでしょう。』

小声での会話をしっかり聞いてるのは亮さん。ジトーっとキョウを睨んでる。
まあ、ほんと仲良しなんだね。

退散しようとしていたら、内線から病棟が忙しくなる。
お兄様の電話も。急患かな?

お兄様からの指示が病棟に響いた。
「多重事故だ。歩行中の小学生の集団にクルマがぶつかって、クルマも何台か
巻き込まれているらしい。
ざっと、負傷者30人は超えるらしい。
一番近い、ここへ重傷者がくる。
受け入れ数は未定だが、外科から応援行って!ナースも。
今夜は寝れないかも。皆さん、二重災害は気をつけて。よろしく。」



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