好きになっては‥‥いけない人☆☆その後
①溺愛 大輝の反省

大輝(はるき)と花(めい)・・・


大輝と花の長女(生後五ヶ月)
陽(さな)は、おひさまみたいに
本当に可愛くて
回りの大人を虜にしていた。

大輝も仕事から帰ると
「陽、ただいま。パパですよ。」
今では・・・
花より陽、陽である。

花は、呆れながら過ごしているが
陽が可愛いのは、花とて同じだから
何かを・・言うこともない・・・

姉の芹那も父も母も
大輝のお母さんも
陽が可愛くてたまらないみたいで
頻繁に家に来てくれる。

新居も完成して
   住み心地も最高。


そんな毎日の中・・

大輝は、仕事や接待で帰りが
遅くなる日が続いていた。

お仕事だから仕方ないと
思うけど・・・

陽が寝てしまっていると
ずっと、グジグジ言う‥‥‥

これが毎日、毎日、続いて・・・

終いには、花が怒って
「だったら、陽のベビーベッドの横に
お布団敷いて寝なさい。」
と、寝室に入り鍵を閉めて
大輝を閉め出した。

この日、花は、出産前から
久しぶりに朝まで熟睡し
気持ちよい目覚めが・・・できた。

「う~ん、ゆっくり寝れた。」
と背伸びをしながら寝室から出て
キッチンで朝ご飯を作っていると
陽を抱いてフラフラした大輝が
リビングに入ってきて
ソファーに座りこんだ。

陽が大輝の腕の中で
寝ているのを確認した花は、
そのまま朝食の
準備を続けた。

大輝は、花の大変さが
初めてわかった。

自分は、会社から帰って
少しの間だけの陽をみて
可愛がっている気になっていた。

だが昨夜は、三時間おきにミルクと
オムツがえ。
それに、いつもそばにいる母親の
花がいないからか
不安なのか泣いて
ほとんど眠れなかった。

大輝は、リビングのお昼寝用の布団に
そっと、陽を寝せて
キッチンに立つ、花を後ろから
そっと抱き締め・・・
「花、ごめんな。」
「大輝、おはよう。
昨夜は、陽を見てくれて
ありがとう。」
と、言うと大輝は、首を横に
ふりながら
「花の大変さ、よくわかったよ。
今からは、もっと、ちゃんと協力する。」
「うふふっ、大輝はちゃんと
パパしてるよ。
陽を溺愛してるでしょ。

もぅ、私に飽きて
陽に乗り換えたんだと
思うほどに・・ね。」
と、言うと
「もぅ・・・飽きてって・・
乗り換え・・たって・・
そんなことない。
俺には、花が一番だ。」
と、焦って言う大輝に
「はいはい。
陽のパパなんだから
娘を溺愛して当然でしょ?」
と、花は相手にせずに
「朝ご飯できるから
顔洗ってきてね。」
と、大輝の背中を押して
キッチンから出して
朝食を並べていた。

大輝は、そんな花を
見ながら、自分が情けなくなっていた。

それから、二人で朝食を食べて
大輝は、会社に出社する。

玄関まで花が見送ろうとすると
陽が泣き出してしまい
ミルクやオムツかえの為に
大輝は、一人で玄関を後にした。

会社につくと後輩の山名が
「先輩、おはようございます。」
「ああ、おはよう。」
「ん?どうしました?」
と、言われて昨夜の話を少しすると
「あちゃ、先輩、陽ちゃんが
いくら可愛くても
それはないですよ。

あんなに花ちゃんを
溺愛していたくせに
そりゃ、飽きたとか、乗り換えとか
言われますよ。
可哀想、花ちゃん
俺が、慰めてあげようかな?」
「はぁ?いらん」
と、言い合いながら
部署へと入って行く。
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