言葉にならない愛を、君に

勇也side


**

「いま、なんか音しなかった?」

「え?そう、聞こえなかった」

俺たちの教室は廊下に一番近い位置にある。

そして俺もかすかに、ドンという音が聞こえたような気がした。

クラスのみんながざわざわ話している中、急激な不安に襲われた俺は教室を飛び出した。

「勇也!?」


葵、どこにいるの?

先生に呼ばれたっていってたから職員室か?

心臓の音が自分でも聞こえるくらいドキドキしていた。


「なあ、これやばくないか?」

「きゅ、救急車・・呼んだ方が・・」

「てか職員室!すぐそこだろ先生呼んでこいよ」


階段下からそんな声慌てた声が聞こえてきて、俺は急いで駆け下りた。

踊り場までいったところで下に数人男子がいて、その真ん中で倒れている女の子がみえた。
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