気づいて

••中途半端な気持ち


そのまま、どうすることも
出来ずに凌平さんとの話しは
終わった。

杏には、正直に全てを話した。

呆れられても、蔑まれても
仕方ないと・・・

杏もまた
「どうして、そんなことに
なっているの?
それに、どうして
そんなこと言ったの?」
と、伊織との関係より
凌平さんとの事を言われた。

私は、叔母に話した事と
同じことを杏にも言うと
「嘘をつくなら、徹底しなさいよ。
中途半端な嘘は、相手を傷つける。

莉央にとって椎名のことは
あり得ないことだとしても
貴方には、そのとき椎名に対して
気持ちがあったでしょ?
それをないものにするなんて
貴方自身にも失礼だよ。

凌平さんが、同じことをしていて
それをノーカウントにして
莉央に話したら?
嘘をつかれた。
信用できない。
と、言わない?
言うよね、莉央はそんな子だもん。

真面目で正直で優しすぎる所あるから・・

確かに、椎名に助けてもらって
気が動転していたのは
わかるけど。
貴方、完全に凌平さんの事が
抜け落ちていたでしょ?
運ばれた病院名もわかってなかったから。
悠太が、心配してた。
莉央ちゃんの彼の病院じゃないかと
そんな中途半端な莉央を
凌平さんが
愛想つかすのは、当たり前だわ。」
と、言われ
「しっかり、考えな。」
と、言って杏は席をたった。

杏の言葉が頭の中を
いつまでもぐるぐると
回っていた。

伊織を忘れるために見合いをした。
気持ちは、残ったまま。
だけど・・・
凌平さんに会って
凌平さんに引かれたのは
嘘じゃない

伊織と寝た日から
勝手に伊織をさけて過ごした。
きちんと話して
終わらせてから
見合いをするべきだった。

自分を庇って怪我をした伊織に
気持ちが、戻らなかった?

嫌、ただ、私の為に
命に危険があったら
申し訳ないと思っただけ

本当に?・・それだけ?・・

だけど‥‥‥
凌平さんと一緒にいるときに
伊織を思い出したり
することは、なかった。

凌平さんを心から
大切に思っていた。

莉央は、泣いて、泣いて
どうやって家に戻ったかも
わからなかった。
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