あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
「待って!

それは困ります!そんなこと出来ません!

あっ…!!」

身を乗り出した恭一さんがあっという間に私を押し倒し、気がつけば上にのし掛かって、顔の横に両腕をついて至近距離で私を見下ろしていた。

「やっ!」

耳に唇を寄せられてぬるりとした熱い舌がなめまわす。

「んっ…いやぁぁ!やめて!
恭一さん、やめて!やだぁ」

重ねられた唇は、昼間のようにすぐに私の口内に舌を侵入させて勝手に動きまわる。

下着姿の私の素肌に触れるのなんて容易いことで、肩や鎖骨を撫でた手が、胸にたどり着くのはすぐだった。

身体がびくんと跳ね上がった。

強引に動きまわる手と、口内を激しく貪る舌に翻弄されてだんだんと力が抜けていく。

こんなに熱くて甘く激しいキスを私は知らない。

激しく求められてこのまま抱かれてしまおうか…体温を上昇させられて何も考えられなくなっていく…。

「 君は本当に甘い。

甘い香りを放っているがずっと味わっていたくなるくらい君自身も甘い。

…彼もこんな君を知ってるんだな」

彼の呟きに颯馬の顔が頭に浮かぶ。

「颯馬…」

好きで好きで堪らない私の愛しい人。
私は今彼を裏切ろうとしている。

涙が溢れてくるのに恭一さんの手に、唇に翻弄されて身体はどんどん熱をもっていく。
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