あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
「あの、支度終わりました」

「あぁ、家まで送るよ。

夕飯でも食べて帰るか?」

左右に首をふった。

「いいえ。大丈夫です。

いろいろありすぎて疲れました。

あの…今後はどうしたらいいですか…?」

「とりあえずもう少しだけ恋人のふりをしてほしい。
安心してくれ。
もう必要以上に君には触れないから。
大丈夫。その間に手を打つから心配しなくていい。

杏にも彼にも、晒名総合病院にも手出しはさせない!

必ず君たちを俺は守から」

「どうしてなんですか?

なんで守ってくれるんですか…?」

「言っただろ?
昔君のお父さんとスイーツ王子のお父さんに助けてもらったって。

小さかった君たちにも俺はあってるんだよ。

君たちには本当に元気づけられたよ。

今度は俺が恩返しする番だ。

だからきにする必要はない。

この話はこれで終わりだ」

話を打ち切られて一気に疲労感が押し寄せる。

深く車のシートに身を沈めて流れる景色を黙って見つめていた。

車はちょうど颯馬のお店の前を通りかかるところだった。

腕を組んでにこやかに笑いながら歩いている男女…

手にした鍵を扉に差し込みcloseしている暗い店内に姿を消したのは颯馬と…私が知らない女の子だった…。
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