あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
本田さんの神妙な顔と、前島さんの食いつくような顔が可笑しくて思わず吹き出した。

「ふふっ、もう違いますよ!

でも、確かに本田さんが言うように三人います。

私が定期的に会っている人たちは」

私の言葉に、彼はがっくり肩を落として大きく息を吐いた。

「はぁぁぁ。
坂口さんってやっぱりモテるんだな。年上からも人気あるんだな」

「ちょっ!違いますよ?本田さん!
誤解しないでくださいね?
本田さんが想像しているようなことと違いからね?」

と慌てて顔の前で手を左右にふった。

「じゃあ誰?」

少し拗ねたように口を尖らせている彼は年上なのに可愛らしい。

(颯馬みたい…)

ふっと颯馬の顔が頭に浮かんだ。

「 ちょっと話すと長くなるんだけどね…」

私は二人にパパと隼人おじさんと圭吾について説明をした。

そして幼馴染みの颯馬のことも…。
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