あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて
映画を見てそのままショッピングモールで夕飯を食べ、泊まりの準備をしたいからとコーヒーを飲んで待っていてもらい、軽く買い物をすませた。

鞄には先程購入した真新しい下着を詰め込んだ。

二人っきりで過ごす泊まりの旅行。

たぶん、、、ううん、絶対、、、、

私は颯馬に抱かれるんだろう…。

もちろん初めてではないが、初体験からかれこれ十年…。

そういうことをしたのは、後にも先にも一度だけ…。

あまりの痛さと、タバコ臭くて、苦いキスが気持ち悪くて、最悪な初体験だった。

もはや初めてに等しい状況だ。

この人より鋭い嗅覚のせいで、彼氏ができても長続きできなかった。

振られる原因は私が体を許さないことだった。

ならばいっそ、消毒薬の匂いを身にまとった医者なら大丈夫かと思い付き合ってみたものの、やっぱり身体が拒絶する。
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