あまい・甘い・あま~い彼に捕らわれて

惹き付けられる香り

「幸せオーラ満載でいいですよね」

二人で甘い夜を過ごしてから、颯馬はまた忙しい日常に戻ってしまったが、定期的に私は仕事帰りにお店に立ち寄り、颯馬を充電していた。

「なんか、最近の坂口さん色気がでて前よりも綺麗になりましたよね。

やっぱり愛の力ですねぇ。

いーなぁ。

私も彼氏ほしいです!」

そんな無駄話をしていると、足早に正面入り口から受付にきた男性が

「冴島直哉に会いたいんだが、恭一が来てると伝えてもらえないか」

受付カウンターを指先でトントン叩きながら切れ長の鋭い目で私たちを睨み付ける。

「あの冴島副社長とのアポイントはおとりいただいていらっしゃいますか?」

鋭い視線に怯むことなく笑顔を向けると、男性はさらに険しい顔をして

「 とっていないが急用だ!
すぐ連絡してくれ!」

と苛立ちを隠さずにさらにすごむ。

「失礼いたしました。

申し訳ありません、もう一度お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?

どちらの恭一様でしょうか」

私の問いかけに男性がしびれを切らしてカウンターに身を乗り出して私の顔に自分の顔を近づけた。
< 74 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop