想われて・・・オフィスで始まるSecret Lovestory
直斗さんがさっそく場所をおさえて。その夜はチームのメンバーで祝賀会になった。
小洒落たスペイン料理のバルで、みんなで食べて、飲んで、おおいにしゃべる。楽しい場になった。

これはゴールじゃなくてスタート、と自分に言い聞かせる。

チーム佐倉として関わるプロジェクト。わたしの名前も施工図に記載されるという。
映画でいうと、エンドロールにちっちゃく名前がクレジットされるって感じかな。
浮かれちゃいけないけど、今夜ばかりは浮かれさせてほしかった。


その後———
帰宅した佐倉さんとわたしは、ベッドで静かに抱きしめあった。心地よい疲れが体に広がっている。

「おつかれさまでした」

「うん、ありがと。やっぱり…疲れたな」
半分枕に顔を埋めて、少しくぐもった彼の声。

いつも冷静にチームを率いている彼が垣間見せる素顔。そんな姿も、ただ愛おしい。

いつのまにか、佐倉さんが寝息をたてている。
これからプロジェクトに参画して、また新しい挑戦の日々が始まる。

ゆっくり休んでください、と心の中でつぶやきながら彼の背をそっと撫でる。

それが本当に束の間の休息だとは、そのときは思いもしなかった。
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