想われて・・・オフィスで始まるSecret Lovestory
手?

とたんにぱちりと目が開いた。
薄闇の空間が広がる中で、なだらかな稜線が視界を上下に分けている。

それは男性の肩から腕が描くラインで、つまり今、わたしは男性の腕に抱かれて横たわっている———

反射的にそこから逃れようとして、身体をよじる。

「うそ…」
そのつぶやきが、口から漏れた。嘘じゃないことは、誰よりも自分が感じているのに。
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