想われて・・・オフィスで始まるSecret Lovestory
千鳥足のわたしをささえて、ベッドに横たえたそうだ。

「言い訳するわけじゃないんだけど…栗原さんが、その、積極的で…」
気まずそうに、佐倉さんが説明する。

苦く重いものを飲んでしまった心地に陥るのは、その言葉が偽りじゃないと、あの夢の記憶が告げているからだ。

わたし、わたしは———

「すみませんでした!」
気づけば必死で頭を下げていた。

顔を上げると、あっけにとられた表情の佐倉さんと目が合った。
「なんで栗原さんが謝るんだ」

「すみません、失礼します」

佐倉さんはなにか言いたげに口を開いたけれど、わたしの態度にあきらめたように唇を結んだ。

玄関に向かうわたしの後を、見守るように静かについてくる。
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