切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
12、決心
翌朝、いつものように美月の声で目が覚めた。
「う……ん、頭痛い。ん? あれ? いつものベッド。渡辺君と居酒屋にいたはずなのになんで?瞬間移動でもした?」
彼女がブツブツ言っている。
後ろから彼女を抱き締めているのでその表情は見えないが、動揺しているのが手に取るようにわかる。
いつもならその独り言を楽しんで寝たフリをするのだが、他の男の名前が出てくるのは面白くない。
「それに……いつの間にか玲司さんの部屋着着てる?全然記憶がないんですけど……。え~、どうしてなの〜?」
ひとり悩んでいる美月をベッドに組み敷けば、彼女はハッとした顔で俺を見つめた。
「おはよう。昨日の美月は凄く大胆だったね」
意地悪く微笑むと、彼女はおどおどした様子で聞き返す。
「大胆?」
「あんなに激しく愛し合ったのに忘れたの?」
美月の耳元で囁くように言ったら、彼女は目を見張った。
「愛し合った? ほ、本当に?」
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