切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
可愛い桜のラテアートが目を引いた。
「わあ〜、この桜可愛い〜」
嬉しくなってはしゃぐと、玲司さんは楽しげに目をほそめた。
「美月ちゃんの反応の方が可愛いけどね」
照れもせず、そんなセリフをサラッと口にするところが彼らしい。
でも、完全に子供扱いだな。
チクッと胸が痛むのを感じながらも、明るく笑って返した。
「玲司さん、誰にでもそういうこと言いますよね」
「心外だな。ちゃんと相手を選んで言ってるよ」
「だから、その言い方……相手に誤解されますからね」
少し咎めるように言うが、玲司さんは女の子を虜にしそうな色気のある顔で首を傾げる。
「何が?」
……ダメだ。
この人、天性の女ったらしだわ。
説明しても自分が罪作りな男だって理解出来ないだろう。
「もういいです。忘れてください」
ハーッと溜め息交じりに言えば、彼はカウンターに戻らず私の対面の席に座った。
そこへ晴人さんがカレーを二皿持ってきて……。
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