切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
絵の隣にある壁時計に目を向ければ、もう七時を回っている。
あっ、起きなきゃ!
「玲司さん、起きて下さい」
彼の肩を揺するが、すぐに起きてくれない。
「玲司さん、もう七時ですよ〜」
また声をかけるが、彼が体勢を変え、私をその胸に抱き締めた。
「うーん、マロン……もうちょっと寝よ」
身体が密着して固まる私。
……玲司さんって意外と寝起きが悪い?
好きな人に抱きつかれて悪い気はしないけど、寝ぼけてるのかと思うと、素直に喜べない。
「玲司さーん、今日は……朝から銀座の商店街の会合があるって言ってませんでした?」
お願いだから早く起きて下さい〜。私、心臓発作で死にそうです。
「……会合? ああ、そうだった」
ムクッと起き上がると、欠伸をしながら彼はベッドを出る。
「シャワー」
ボソッと呟いて寝室を出て行く彼。
やっと起きてくれた。
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