彼女になれない彼女
20分くらい過ぎただろうか。

ママが私の部屋をノックする。

「沙和、大丈夫?行かなくていいの?」
「うん、おばあちゃん骨折したんだって。予定なくなった。」

ママが「あら〜大丈夫かしらね〜」と真っ先に平良のおばあちゃんを心配する。
そうだよね、それが真っ当な反応だよね。

ベッドの上で動かない私に、ママが近づく。

「宿題でもやったらいいんじゃなーい?どうせ全然終わってないんでしょ?」

グサリと刺さる言葉をなんでこの親は・・・

実際全然終わってなかった。
平良に聞けばいいと思ってたからだ。
お盆の会えない期間がかなりのロスだった。
気付けば夏休みも後半。

「やらなきゃー。もうやだー。やりたくなーい。」

私はゴロゴロする。
ママは呆れてドアを閉めた。

かっこわる。

気付いたら1時間が過ぎようとしていた。
こんなんじゃあっという間に1日が終わる。

私はムクリと体を起こす。

仕方ない、宿題やるか。

私は出掛ける準備を始めた。
家から近くて集中できるとこ。
そうだ、図書室がいい。

やっと気持ちが切り替わった。
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