期間限定『ウソ恋ごっこ』
それでも、幸せ
「あーもー! 時間が惜しいのにー!」


学校の図書室の受付カウンターに座っていたあたしは、たまらず大声を出した。


書棚の前に立って本を探している生徒や、テーブルに座って調べものをしている生徒たちが、非難の目でこっちを見る。


はい、わかってます! ここは静かにしなきゃならない図書室で、あたしは図書委員です!


騒いでいる人がいたら注意しなきゃならない立場のあたしが、率先して騒いでいるのは非常識です。


でもね、あたしには時間がないのよ、時間が!


「こら美空、静かにしなさい。そんなにイライラしないの」


隣の席に座ってる真央ちゃんが、あたしの耳元に口を寄せて小声で注意してきた。


今日はあたしたちが図書室の受付係の当番。


目の前のパソコン画面の返却リストページを眺めながら、委員としての務めを(まっと)うせんとしているのだ。


なのに今日が返却期限の本が、まだ三冊も未返却。これをなんとかしなきゃ、あたしは帰れないのよ!
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