高嶺の花沢さんは恋の仕方がわからない
「うん、いいね。

蜜実さんと距離がとても近くなった感じがするよ」

西口くんはそう言って笑った。

それに対しても、私の心臓がドキッ…と鳴った。

友達もいなければ彼氏もいたことがないから、この心臓のドキドキがなんなのかわからない。

でも、西口くんの会社では見せない一面を知るたびに、私の心臓はドキッ…と鳴る。

これが俗に言う、“恋”と言うものなのだろうか?

私は西口くんに恋をしたと、そう思ってもいいのだろうか?

「蜜実さん、何にする?」

西口くんに声をかけられて、メニューを選んでいる最中だったと言うことを思い出した。

「じゃあ、アイスティーのレモンとサンドイッチにしようかな」

メニューを選んだ私に、西口くんは手をあげて店員を呼んだ。
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