あなどれないね、世唯くん。



***


「う、うそだ……、ほぼ赤点」

夏休み前にあった期末テストが見事惨敗に終わって、全ての教科の点数が書かれた一覧の紙を見て絶望した。


「あちゃー、これは夏休み間違いなく補習だね」


自分の席で落ち込んでペシャンと顔を伏せていると、わたしの手元からするりと紙が取られて、友達の青山寿々(あおやま すず)が、やれやれという口調で話す。


「すずぅ……わたしを補習のピンチから救って…!」

「むりむり〜。もう結果として出てるんだから。勉強しなかった糸羽が悪いんでしょ?」


「うぅ…そりゃそうだけど」


寿々は呆れながら、わたしの前の席に足を組んで座った。

はぁ、相変わらずスタイルがいいことで。


寿々は顔は可愛い系なのに、小柄ってわけじゃなくて、モデル並みのスタイルの持ち主。


「まあ、地獄の補習頑張って〜。わたしは有意義な夏休みを過ごさせてもらうから〜」

「ぬぅ……」

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