あなどれないね、世唯くん。



はぁ……とため息をつきながら机におでこをくっつけて脱力。

すると何やら前の席のイスが引かれた音がして、誰かが座ったのがわかる。


「やはり千景の彼女なのかね〜あの子は」

……この声は寿々か。


「最近異常なくらい千景が可愛い彼女連れてた噂で持ちきりだね〜」

「人が落ち込んでるのに……」


むくっと顔を上げて、寿々を見てみれば何やら愉快そうに笑っていた。


「落ち込むことないでしょ〜。
糸羽には藍野がいるんだから〜」


文化祭が終わって、休み明けに寿々にいろいろ問い詰められた。

寿々とメッセージでやり取りをしたあと、真尋くんがわたしの元に来て、何か進展はなかったのかと。


嘘をついてもすぐバレると思ったので、あったことを包み隠さず話すと寿々はますます真尋くん派になってしまい……。

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