あなどれないね、世唯くん。



急いで世唯くんが座るソファのほうへと近づく。


「時間……あんまないね」


世唯くんの目の前に立って、目線を下に落とすと、
すぐに大きな手が頬に触れてきた。


「急いで来たのに……あとちょっとしか世唯くんといられない」


「いとは正直だね。
そんなに俺と一緒にいたいの?」


その問いかけに、素直に首をコクリと縦に振る。



「……ほんと可愛いね。
じゃあ、今日は何しようか?」


少し強引に腕を引かれて、片膝をソファについて、さっきより世唯くんの顔が近づく。



「糸羽がして欲しいこと言ってごらん」


漆黒の瞳が、わたしをしっかり捕らえて、逃がさない……ううん、逃してほしくない。



「言ったら……なんでもしてくれるの?」


「もちろん。ってか、いつもしてあげてるのに?」


「そ、そうだけど……」


「早くしないと時間なくなっちゃうよ?」

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