お見合い相手のお姉さん・・・好きになってもいいですか?


 青年の指を噛んでいる女性が声を漏らした。


「いいよ紗良(さら)。もっと・・・俺を感じて・・・」


 強く・・・強く・・・体を重ねてゆく青年。


「紗良・・・一緒に・・・」



 女性は頭が真っ白になってしまった。

 
何判らない・・・それでも心地よくて・・・。

 この気持ちは何? 

 それだけ感じた・・・。









 

 カーテンから日差しが心地よく差してきて。
 
 紗良と呼ばれていた女性が目を覚ました。


 辺りを見渡して。

 オシャレな壁に綺麗なカーテンが目に入りハッとした紗良。


 紗良は起き上がろうとしたが、何かが体に巻き付いている感覚がして顔だけ横を向いた。


 横を見ると、とても綺麗な顔立ちをした青年の寝顔が目に入り驚き目を見開いた紗良。



 動きたくても、しっかりと抱き着かれていて身動きが取れない。


「どうしよう・・・」

 ぼそりと紗良が呟いた。



「ん・・・」


 青年が目を覚ました。


 紗良はちょっと赤くなり顔を背けた。



 目を覚ました青年。


 夕べより綺麗な顔立ちをしている事がハッキリ判る。

 タイプ的にはクールなイケメン。

 男性的というより女性的な要素が入っている故に綺麗に見えるようだ。


「紗良・・・おはよう」


 青年はそっと紗良を抱き寄せた。


 困った顔をしている紗良。


 ほっそりとした顔で、ぱっちりした目をしている紗良。

 可愛い系でもあり綺麗な顔立ちをしている紗良は、ちょっと魅力的だが地味な感じがする。


「良かった、朝まで一緒にいてくれて。嬉しい」


 夕べの声より優しい青年。


 紗良は何も答えず黙っていた。


「紗良。怒っているのか? 」


 紗良はギュッと唇を噛んだ。


「ごめん、どうしても離れたくなくて。家に送るふりして、連れてきてしまったんだ」

「・・・こんなの・・・困ります・・・」


 小さな声で紗良が言った。


「どうして困る? 俺は本気だよ」


 グイッと青年を突き放して、紗良はそのまま起き上がった。


 ベッドを出ようとする紗良を引き寄せて、青年はまたギュッと抱きしめた。
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