愛するオトコと愛されないオンナ~面食いだってイイじゃない!?
「出張って、社長の結婚式の頃のあれですよね。」

「そうだ。シュウの結婚式には出たいから、向こうでの用が済んだらすぐに帰って来るって言ったのに、帰ってきても式には出席させないとかなんとか言ってさ。
結局、帰って来られなかったんだ。」

「取引先のイベントは、結婚式の1日前だった。
それに、その十日後あたりに彼女の誕生日があったからね。
ニューヨークまでは旅費だってけっこうかかるんだから、有意義に過ごさないともったいないじゃないか。」

柊司はそう言って、片目を瞑った。
八重樫さんは、それを見て苦笑する。



「お陰で、彼女とは久しぶりにゆっくり会えたよ。
彼女も意外な程、喜んでくれたしね。
いつもはクールな彼女が、まるで別人みたいに俺を歓迎してくれた。」



私は二人の会話に聞き入っていた。
これが全部架空の話だなんて、信じられない。
二人のやりとりを聞いてたら、本当のことみたいに思える。



二人の演技力が怖くなった。
もしかしたら、私も騙されてるんじゃないだろうか?って。
最近は八重樫さんとも親しくなれたと思ってたけど、それも全部嘘なんじゃないか?って、不信感を感じてしまった。
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