これが恋だと言うのならば
「じゃ、行こ、朝陽。」


「うんっ…」


まだSHRまで時間があるから空き教室に連れていく。


「…ごめん、冬夜君、なんか、」


「朝陽、なんで泣いてんの。」


あー、ほんと、可愛い。


「だって、冬夜君のこと、あんな風に…」


「俺のために、泣いてくれてんの?」


「そーだよ!冬夜君が辛いの、私もやだよ…!!!」


またそんな、可愛いこと言ってさ。


最低なんだよ、俺。


君に近づいた理由、ほんとに最低なんだよ。


なのに、なんでそんな大事にしてくれるの?


他人なのに。


…親でも、俺を、愛してくれなかったのに。


どうして、朝陽は。こんな俺をこんなに、大切にしてくれるんだろう。


「…可愛い」


「へっ!?///」


「…ありがと。」


「…うん。」


離したく、ないなぁ…。


離れたく、ない。


「…冬夜君、1時間目、始まっちゃうよ…?」


「そーだね。…1時間目、自習って言ってたし、サボっちゃおうか…?」


「…ほんとに?」


「うん。」


「わぁ、悪い子だ、冬夜君!」


「朝陽は?出るの?」


「…へへっ、出ない」
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