キミの嘘
体育大会はそれは大盛り上がりだった。
クラスも順調にそれぞれの競技で勝利を決めて、
わたしの参加するサッカーも入賞はしなかったものの
何回か勝利をおさめることもできた

縁のクラスも優勝していたり、上位入賞していた。


もともと、そんなにお祭り的な行事は好きじゃない縁。

だけど、もともと持っている負けず嫌いな部分もあって、誰よりも楽しんでいた。

サッカーでも、シュートを決めては女子たちの黄色い声援を浴びて
クラスメイトと、無邪気な笑顔で喜び合う縁は眩しかった。

タオルやドリンクを甲斐甲斐しく縁に渡している河崎先輩も、まるで当たり前のように縁のとなりにいた。

付き合っていると言われたら納得するような、二人を纏う空気感。

妹、というレベルを周りから貼られているわたしには、絶対に纏えない。

縁を見かけるたび、まるで当たり前のように河崎先輩は、縁の隣に存在していた。


妹じゃなかったら、、、

でも

妹でなかったとしても、叶わなかったかもしれない。

臆病なわたしは、きっと、妹としてそばに居られることを望んでしまう。

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