極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
連れていかれたのは、前にも入ったことのあるリビングのような部屋だ。

一尾たちいつもの下っ端三人組以外に、怖い極道がいることを心配しつつ、実乃里は「お邪魔します」と入室する。


「ロイヤルの姉ちゃん、今日も差し入れ?」

「ちょうど小腹が減ってたんだ。サンキュー」


二村と三村が手にしていたゲーム機をソファに投げ置き、立ち上がる。

室内には彼らしかいないようで、実乃里はホッと気を緩めた。


卵サンドと新作のハンバーガーひとつを入れたペーパーボックスは、龍司のためのもの。

これは取られてはならないと、ソファに腰掛けた実乃里の膝の上にある。

ピザとエビフライ、チキンナゲットなどの箱はローテーブルの上で、一尾が早速蓋を開けていた。


「三村、人数分の茶を出して」と一尾が命じ、冷蔵庫からペットボトルの緑茶や缶コーヒーが十本も出されて、テーブルに並べられた。


(お茶を出すって、ペットボトルなんだ。うん、まぁ、美味しくないお茶を急須で淹れられるより、安心でいいかも)


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