隠れイケメンの王子様に恋しました
「も…いっかい…」

引き寄せられるようになの葉は背伸びすると、一瞬目を見開いたお兄さんはなの葉を抱きしめるように腕を回し唇を重ね合せた。

初めは啄むようにそしてだんだんと濃厚に…。
それはとっても気持ちよくて温かくてお腹がうずうずと疼いてなの葉は瞳を閉じてそのキスに夢中なった。

「ん…」

なの葉の吐息が漏れると弾かれたようにお兄さんは離れた。
肩をぐいっと押し玄関に押し込む。

「いいか、ドアを閉めたらすぐに鍵を掛けろ、わかったか?」

ぼんやりとしているなの葉に言い聞かせるとお兄さんはドアを閉めた。

「ほらっ鍵締めろ!」

ドアの向こうで声が聞こえる。
言われた通りにカシャンと鍵を閉めた。

「しめましたよぅ~」

「よし、風呂入って布団でちゃんと寝るんだぞ!水も飲めよ!…じゃあな」

ふふっ、さっきもおんなじこと言ってた気がする。お母さんみたい。

おかしくなったなの葉はくすくす笑いながらドアに耳を当てると、カンカンカンと階段を降りる音が聞こえる。

ふふふっ、かっこよくて変なお兄さん…。

酔いもあってかふわふわと夢心地で冷たいドアが気持ちよくて目を瞑った。
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