隠れイケメンの王子様に恋しました
翌日、大宮さんを見つけて送ってもらったお礼を言うと、微かにハニカミながらも素っ気なくてちょっとがっかりしたけど横を向いた大宮さんの耳が赤いのに気付いて恥ずかしいのだと気づいた。

それから大宮さんを見かけるたびに嬉しくてにやけていると目聡い朋絵が突っ込んできた。

「なになに~?さっきからにやけてる気がするんですけど~~~。あ~気持ち悪い!」

「なっ!何よ!何でもないし…」

「誤魔化そうとしても駄目よ!どれどれ、この大人な朋絵お姉さんに話してみなさい」

「何よ!3ヶ月しか違わないでしょ!」

既に二十歳になった朋絵に私ももうすぐ二十歳になるし!と言ってるのに10代と20代じゃ全然違うのよ!とお姉さま風を吹かせた朋絵に人気のないところに連れ出され最初は口を噤んでいたもののとうとう白状させられた。

「ええ~~~!あののっぽメガネがスっ…」

「わ~~~っストップ!!」

何とか朋絵の口を塞ぎ最後まで言うのを阻止した。

「あんなののどこが良いわけ?」

落ち着いた朋絵の呆れため息をついた姿にムッとする。

「優しいし、背高いし、かっこいいんだから!」

「どこが~~~??あんな根暗なブサイク。ちょっとなの葉は目が悪いんじゃない?」

「なんでみんなわかってくれないの…」

皆が言う、ブサイクなのっぽメガネ…そんなんじゃ絶対無いのに。

しゅんとするなの葉は朋絵の悪い顔でにやりと笑う姿を見逃していた。



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