隠れイケメンの王子様に恋しました
もちろん手は繋いだままで肩を寄せ合い話してるうちに直ぐに駅に着いてしまって、仕方なく先に降りて立花さんにお礼を言うなの葉の手を引き寄せた。

「ありがと雪都、じゃ今度こそいってらっしゃい」

「ああ、気つけていけよ」

頭を撫でながら言うとハニカミながら頷いて駅へと入って行った。

姿が見えなくなるまで見送って車に乗り込むとスムーズに車は発進する。
でも前の方でクスクスと笑い声が漏れてきて、何で笑ってるのかわかるから窓に頬杖付いて赤い顔を見えないようにした。

「立花さん笑いすぎ」

「くくっ、申し訳ありません」

まだ笑ってる立花さんを横目に見てため息が出る。
なの葉にまだ片思いしてた頃、兄貴に呼び出されたなの葉を連れて帰る時に、初めて送ってもらったときから俺の気持ちは駄々漏れだったらしい。
「可愛らしいお嬢さんですね?」
「うん、そうだね…」
「好きなんですねえ」
「……」
ズバリ言われ赤面したのは言うまでもない…。

あれから付き合うようになって俺達二人を見れば、というより俺が一人になると含み笑いを浮かべ、「今が一番楽しい時ですねえ」なんて言ってくる。
普段無愛想な俺がデレデレしてるのが見てて楽しいらしい。
立花さんは優しそうで人が悪い…。(トホホ)
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