起たたない御曹司君の恋人は魔女


「ん? 何を探しているんだ? 結沙」


 新聞を読んいた父・結人が声をかけた。


 結人は現在53歳で社長。

 頼りになるお父さんの貫禄はあるが、若々しさが強く結沙とは兄弟にのように見える。

 視力がちょとだけ低下して、眼鏡をかけているがそれがまた魅力的である。



「確かここにあったよね? 」


 結沙は探しながら答えた。


「何があったと言うんだ? 」

「うん・・・隣の家の鍵だけど・・・」



 結人と紗良は顔を見合わせた。


「あれ、ここじゃなかった? 」


 ふと、結沙が振り向くと。


 結人と紗良がじーっと見ていた。



「え? 何? 父さん、母さん」


 きょんとしている結沙を見て、結人はフッと笑った。

 紗良はやれやれと笑っている。


「結ちゃん。彼女出来たの? 」

「え・・・」


 紗良は結沙に歩み寄った。
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