起たたない御曹司君の恋人は魔女


 優衣と優が産まれて2週間。


 宗田家は大賑わい。


 良人は研修医として総合病院に勤務が決まり、今は病院の寮生活をしている。



 優衣と優が同時に泣くと、いつも紗良が真っ先に駆けつけてくれる。


 優衣を紗良が抱っこして、優をイディスが抱っこする。

 
「可愛い! やっぱり女の子は違うわね。プルプルね」

 優衣に頬ずりをして紗良が言った。



「さぁ、優衣ちゃんオムツ変えましょうね」


 嬉しそうに優衣のオムツ変えている紗良。


 その傍でイディスが優のオムツを変えている。



「まったく、母さんは優衣ばっかり構うんだから」

 傍で見ていた結沙が呆れている。


「紗良は女の子が欲しいって、望んでいたからなぁ」


 隣にいた結人が言った。


「え? じゃあ、妹作ればよかったじゃん」

「そうなんだが。お前達が双子だったし、紗良は心臓手術の事もあって子供は1人が限界って言われていたんだ」

「え? じゃあ、俺と兄貴が双子じゃなかったら。どっちか1人だったって事? 」

「まぁ、そうなるな」

「そうだったのか」

「でもいいんじゃないか? お前が、母さんに女の子をプレゼントできたんだ。構ってばかりなのも、今だけだよ。優の事だって、可愛いって思っているから心配するな」


 結人は優の傍に行った。


 美味しそうにミルクを飲んでいる優を、嬉しそうに見ている結人。


 

 オムツも変えて、ミルクも飲んで、お腹いっぱいになったらまたぐっすり寝てしまう優衣と優。

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