死りとりゲーム


殺してやりたい。


みんなの仇をとって、賢太を殺してやりたい。


でも、現実の世界じゃ無理なんだ。


賢太も、ゲームの世界なら証拠がなにも残らないから、悪行の限りを尽くしているだけで、いま私がいるこの世界で殺してしまえば、自分の首を絞めることになる。


もし今回も、賢太が素直に死りとりをしていたら、誰も犠牲にならずにすんだ。


新しい死り神はクラスメイトの【三田紗里奈(さりな)】だった。


【我聞めぐみ】の【み】から始まる名前の、紗里奈が選ばれてしまったのだろう。


私は、紗里奈のお腹に何度もドライバーを突き刺した。


その感触は、未だに手に残っている。


なんの関係もないクラスメイトを巻き込んだのも、賢太だ。


挙句、私の大切なひとまで死んでしまった__。


そして、まだゲームは続く。


私か賢太、どちらかの息の根が止まるまで続く。


お互い、協力して死りとりをやろうなんて気は毛頭ない。


最後のひとりになるまで、ゲームは続く。


なんとかしないと、もう誰も助けてくれないんだ。


私は、スマホで死りとりゲームのアプリを探っていた。


賢太を懲らしめる手がないかと__?


「えっ?」


ある1行に、目が釘づけになる。


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