死りとりゲーム


人生ゲームは、ルーレットを回して出た目の数だけマスを進むという遊びだ。


私の家にも、昔っからある。


『クリアです』


合否が発表された途端、2人の表情が入れ替わる。


「そんなっ」


さっきまで意地の悪い笑みを浮かべていたのに、賢太は半泣きになっていた。


「最初っから、わかってたんだよ。お前が仕掛けてくるってことがな」


悠馬はそう言うが、途中までの怒りと焦りは演技には見えなかったけど?


どちらにしろ、悠馬が勝ったんだ。


「ぼ、ぼ、僕はっ__!」


後ずさる賢太の顔に、重たい一撃が見舞われる。


後ろに吹き飛んだ賢太をまたぎ、悠馬は出て行った。


どうやらそれ以上は痛めつけないらしい。


ゲームの途中だからか、後で徹底的にやり込めるのかはわからないけど、今はラストの新田くんの番だ。


「と、か。意外と思いつかないな」


そう言いながら、焦る様子もなく向かったのは【職員室】だった。


先生たちの机を調べ、1枚の紙を掲げる。


それは、赤ペンで丸やらバツやら書いてある「答案用紙」だ。


『クリアです』


なんとか全員がクリアできた。


ちょっとした事件はあったものの、これであと2回クリアすれば退会できる。


あと2回。


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