俺様課長のお気に入り
「ところで要。お前達はいつ頃入籍するつもりなの?」

「ん?お義父さんとお義母さんさえよければ、すぐにでも入籍したいと思ってる」

「私達は、2人が合意してるならいつでもいいぞ。なあ、母さん」

「ええ。要君なら、絶対に陽菜を大事にしてくれるもの」

「ありがとうございます。それじゃあ、証人欄を書いてもらっていいですか?」

「もちろんだよ」

要君が取り出した紙を見て、目を疑った。

「えっ……か、要君?いつのまに婚姻届なんて用意してたの?」

「ずいぶん前だな。絶対に陽菜と結婚するって決めてたから」

決めてたとか……ずいぶん前とか……
何かとツッコミどころはあるけれど……
それ以上に、要君の真剣な気持ちが嬉しかった。

「あらまあ。陽菜、愛されてるのね」

母の言葉に、顔が赤くなるのがわかる。

「うちの親にも、陽菜さんのことはもう話してあるし、賛成してます。ちかいうちにちゃんと紹介して、届けを出そうと思います。前後するかもしれませんが、両家の顔合わせも日程調整します」

「そうか、わかった。うちはいつでもかまわないから。事後報告でいいよ。
要君、陽菜のことをよろしく頼んだよ」

「はい」

「陽菜も要君をしっかり支えてあげないとね」

「うん」

その後は、さすが営業課長さんというか……
要君はあっという間にうちの家族と打ち解けて、まるで昔からの知り合いのように話し込んでいた。



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