蜜愛婚~極上御曹司とのお見合い事情~
「あの、パンフレットに宝珠の間の写真があったんですけど、そこも見せていただけますか?」

「申し訳ございません。宝珠の間はただいま使用中で、三時半頃になればご案内できますが」

「じゃあドレスでも見て待つ?」

「うん」

「ではドレスルームにご案内いたしますね」


 頷き合う親子に笑顔で応じる。

 ホテルで行われる催事の窓口は管轄がふたつに区分されている。
 披露宴を主とする個人契約の催事は営業企画部が窓口となり、企業研修などの法人契約、またはディナーショーなどの広報的要素があるものは、蓮司さん率いるホテル事業統括部の管轄となる。でも、窓口は違っていても実際に催事の詳細を組み実施にあたるのは営業企画部だ。

 ではホテル事業統括部の本業はなにかというと、文字通りホテル全体を俯瞰する部門で、他社との業務提携や新規ホテル開業の検討などにも及ぶ。だから営業企画部より会社の中枢と言えるのだけど、いくら蓮司さんが飛びぬけて有能とはいえ、次期社長と目されている橘部長よりも重要なポストに就いていることが不思議といえば不思議だ。


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