通信制の恋
元カノ登場
秋も深まり、次第に朝晩がだいぶ冷えてきた頃…


学校に行くのも寒さから億劫になりつつある。


だが、今日も授業に出なければ単位は貰えない。


私は今日も着込んで学校へ向かった。







「直が学校に来ない？」


「ああ。最近見かけないと思わないか？」


「私はバイトで会ってるけど…、あー、でも、学校で会うことって少なくなったかも…」


「だろ？ちょっと何があったのか聞いてみてくれないか？」


「うん、分かった。私も気になるし。」


朝、登校すると東雲くんに声を掛けられた。


近くには杏樹ちゃんもいて、うんうんと頷いていた。



直は普通にバイトには来ているが、なぜ学校にも来ないのか不思議だった。


私は念のため、一度LINEのメッセージで"最近学校来ないけど、何があった？"と聞いてみた。






「どうだった、天野くん」


「んーん、まだ既読もつかないし、返事もない。」


今は体育の授業前。


体育館の壁にもたれながら、スマホをいじって、LINEのトーク画面を開いて確認するも、新しいメッセージは来ていなかった。


「今日中に返事来るといいんだけど…」


「天野くん、どうしたんだろうね…」


杏樹ちゃんや東雲くんも心配して私に声を掛けてくれたのは私が彼女で直のことを一番理解しているからだろう。


だが、それでも、赤の他人。


繋がりを保ち続けるのは難しいことだ。
< 109 / 167 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop