通信制の恋
テストinWinter
ついに私たちの地域にも雪がちらついてきた季節…


学校へ登校すると、教室のストーブの前で暖を取る杏樹ちゃんがいた。


「おはよう、杏樹ちゃん。今日も寒いね…」


「寒いよー!!!どうしてこうもここの地方は寒いの!?私卒業したら上京する!」


「東京の冬もキツイと思うけど…」


「雪が無いだけ、マシよ!」


ストーブの前を陣取って話していると、直と東雲くんが登校してきた。


直はいつもの席に着くと巻いていたマフラーを取ることなく、机に突っ伏してマフラーに顔を埋めていた。



私は杏樹ちゃんがいたストーブから離れ、直のそばに行った。


「直、寒いからストーブの近くに行けば?」


「あそこはあったかいけど、一番前だから嫌だ」


「あー、まぁ、確かに…」


ストーブがあるのは教室に入って一直線に行った教室の隅に置かれている。

そのため、一番前の席の人は暖かい空気を感じることができる。


が、直がいるのは一番後ろの席。


ストーブからは遠い席となる。


授業中は惰眠を貪る直にとっては、一番前の席だと先生に注意される回数も増えるため、居心地が悪いのだとか。

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