きみのための星になりたい。

私はすぐにスマートフォンを手に取り、画面をタップしながらある人の連絡先を開く。

暗い部屋の一点に浮かぶ明かりはとても眩しい。でも次第に目が慣れてきたのか、しっかりと両目を開けスマホを操作できるようになった。

そして私は、そのある人に向けてメッセージを作成する。

《悠真くん。突然の連絡、ごめんなさい。明日悠真くんの最寄り駅まで行くから、どこかのタイミングで会えないかな。もし明日が無理そうだったら、都合のつきそうな日にちを教えてください》

メッセージの送信相手は、悠真くん。私は悠真くんからの返事をじっと待つ。彼はいつも深夜0時くらいまで起きていると言っていたから、今日もまだ寝てはいないはず。

その予想はどうやらあっていたみたいで、五分ほど待てば悠真くんから返事が送られてきた。その内容は、明日の夕方であれば何もないから大丈夫だというもの。

……よかった、と、とりあえずホッと胸を撫で下ろす。

何度か悠真くんとやり取りをして、待ち合わせ場所は私の最寄り駅へと変更になった。というのも、俺が凪ちゃんの方に行くよ、と悠真くんが譲ってくれなかったからだ。何度いいよと言っても、悠真くんはこっちに来てくれると言う。申し訳ないと思ったけれど、ここは友達として、悠真くんの優しさに甘えてもいいのかなあと、素直に悠真くんの言葉を受け入れることにした。

私のために時間を割いてくれる悠真くんに感謝しつつ、私は唇を噛みしめる。

そう、私が考えついたことは、柊斗と仲のいい悠真くんに話を聞いてみることだった。

私はまだまだ柊斗のことを知らない。私よりもいつも同じ時間を過ごしている悠真くんと話せば、何か柊斗を救うヒントが見つかるかもしれない。私でもできることが、あるかもしれない。全てはその思いから始まった。

それが、一生懸命考えた末に私が辿り着いた答え。

待ち合わせは、明日、私の最寄り駅の構内にあるカフェに十七時頃集合。

私は小さく息を吐くと、とりあえず今日はもう寝ようと思い、ゆっくりとまぶたを伏せ夢の中に落ちていった。
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