過ぎた時間は違っても
このまま羽季を抜かしてリングに入れても良かったんだけど、回してほしいという子供の声を信じてみる事にした。私の苦手だった事で羽季に勝たないと信じてもらえ無いような気がして。
私の仲間になってくれた子供たちの喜ぶ声と羽季の仲間になってくれた子供たちの残念がる声が公園内に響いた。その後、子供たちと何回か勝負をして来週も来て教えてほしいと頼まれた。

「私たちも・・・、帰ろうか」

「そうだなー」

帰路に着く子供たちに手を振る頃には、羽季の表情も戻っていた。夕日も沈みかけていたけれど、私たちの笑い声は明るかった。誰かに連れ拐われているんじゃないかと心配になったらしく、翔琉が迎えに来てくれたけれど別れるでも無し。翔琉と合流してからは三人で私の家に向かった。
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